吸血鬼はお年ごろ
今週はバタバタしていたので、平日は書けませんでした。
久しぶりのブログです(^^;)
赤川次郎さんの本についての思い出、3回目を書いてみたいと思います。
集英社コバルト文庫
2019年から紙媒体での新刊は発行されなくなった様ですが、少女向け小説を主に扱っているレーベルの文庫です。
ちょうど、自分が中学,高校の頃は、”宇宙戦艦ヤマト”や、”銀河鉄道999”といった、アニメのノベライズ作品が多く発刊されていて、それらを良く買って読んでいました。
その集英社コバルト文庫の中に、赤川次郎さんの名前を見つけ、最初に買ったのが、この本「吸血鬼はお年ごろ」でした。
この本の前にもコバルト文庫から発刊された赤川次郎さんの本はあったのですが、”セーラー服と機関銃”、”三毛猫ホームズの推理”で名前を知るまでは気にしていなかったので、目にとめる事も、買う事も ありませんでした。
赤川次郎さんの作品に興味が わいてきていたので、買ってしまいました。
ただ、買う時に少女向けの絵が気恥ずかしかった事を何となく覚えています。
吸血鬼の娘が主人公
”セーラー服と機関銃” は、ヤクザの組長になった女子高生,”三毛猫ホームズの推理” は、三毛猫と女性アレルギーの刑事。赤川次郎さんの小説は、本格的な推理小説にもある謎やトリックが描かれながら、奇想天外な主人公が設定されたユーモアあふれる作品が多くあります。この作品も、主人公 エリカは吸血鬼の娘であり、少し人間離れした能力を持っているという設定です。この作品はシリーズ化され、現在も年に1冊は新刊が発行されており、全て購入して読み続けています。
この第1作目ですが、エリカが通う女子校のテニス部で、合宿中に部員が1人を除いて、全員 血を抜かれて殺されるという事件が起きます。その殺人事件の謎を、エリカが父親や従兄弟、クラスメートの力をかりて解いていくという話になっています。ただ、少し エリカや、父親のクロロック(吸血鬼)、殺人事件の生き残りであり、後に父親の後妻におさまるエリカの後輩 涼子のキャラクターは、今の作品とは違っている様に感じます。
エリカは、吸血鬼の能力を積極的には使わず、周りの人に迷惑をかけない様に、控えめに生きてきた女の子で、この1作目では従兄弟に恋心を抱くシーンも出てきます。父親は正当な吸血鬼の末裔という誇りを持ち、威厳のあるキャラクターで、博識でもあります。涼子は殺人事件の後、父母と一緒に再度 殺されかけたところをクロロックに救われ、 一人ぼっちになった事からクロロックの世話をする様になった おとなしい 控えめな女の子でした。
シリーズ、その後の作品では、エリカは積極的に事件に首をつっこんでいくし、クロロックは子供を産んだ涼子の尻に敷かれているというキャラクターになってきています。
初期の頃の作品と読み比べると、そのキャラクターの違いも、面白く感じてしまいます。
初版本における ”誤字” 発見
この本ですが、初版本で買った事から、珍しく、誤字がありました。最初の方のページで、エリカが山奥に住んでいる父親に会いに行き、その父親が寝ているはずの棺を前にした洞窟のシーンです。
平土間には、中央にある、ただひつつの物を除いては、何ひとつ置かれていなかった。
点々をつけて、”ひつつの物”と書かれているのですが、思わず ”ひつつ” って何? と、考え込んでしまった事を、この本を見るたびに、記憶が蘇ってきます。
もちろん、これは、”ひとつの物” の間違いで、今、販売されている本では修正されています。
出版社に連絡をすれば、交換なんかも出来る様ですが、その頃の自分は、そんな事は思いつきもしなかったですし、逆に、こんな誤字のある本は珍しいという思いから、ある意味、コレクションにして大切に持っていました。
”セーラー服と機関銃” や ”三毛猫ホームズの推理” は、実家の書棚に置いていましたが、この本は仕事で鹿児島に赴任した時も、今の単身赴任先に行く時も、持って行った思い出の書籍です。
それでは、赤川次郎さんの本についての思い出は、いずれ又、書いてみたいと思います。
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