タイケさんの独り言

徒然なるままに、日々の事や思い出を書き込んでみたいと思います

鯖の姿寿司

GW終わって、単身赴任先に戻り、留守中の諸々を片付けてバタバタしていたら、下書きに入れたブログを完成させないまま、1週間たってしまいました (゚o゚;

 

GWの高知、2日目の食事ですが、鯖の姿寿司を頂きました。

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皿鉢料理

土佐料理の定番と言えば、直径40~50cm程の大皿に、色々な料理を盛り付けた皿鉢料理です。人によって、サワチ、サハチ、サーチ等と呼んでいますが、父はサハチと言っていたかと思います。刺身を盛り付けた”生(なま)”、唐揚げや海老フライ,果物や羊羹などを盛り付けた”組み物”、そして鯖の姿寿司や巻き寿司,いなり寿司など、お寿司を盛り付けた”すし”の3つに分類される様ですが、実家のあたりでは”組み物”と”すし”は一緒になっている事が多く、寿司の周りに色々な料理、果物なんかが盛り付けられています。また、"生" を皿鉢と言ったりしてしないので、何か家で宴会をする時には、近所の店に、”刺身を○枚、皿鉢を△枚でお願いします”と言って、注文します。

その皿鉢の中で、メインの1枚の中央には、たいがい”鯖の姿寿司”が鎮座しています。だから、自分にとっては皿鉢を食べると言えば鯖の姿寿司を食べるという事と同じ様な感覚があります。

 

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※ 写真は別のお店(末広)で出している皿鉢料理です。

  実家でも、時々、注文させてもらっています。

www.suehiloya.jp

 

高知では、冠婚葬祭もそうですが、何か家族や親戚、知人が集まる時には、この皿鉢料理を囲んで、『おきゃく』(高知では宴会を こう呼びます)をするのが、一般的です。しかし、最近はコロナの影響で大勢が集まって食事をする事が出来なくなったし、大皿に盛り付けて皆が料理を取り合う皿鉢も敬遠される様になったのは残念な事です。

このところ、実家でも『おきゃく』をする機会が減ってるので、最近、”鯖の姿寿司”を食べていないな と思い、今回は、近所の店で作ってもらいました。

 

背開き

魚のさばき方には、関東の背開き,関西の腹開き と言われる様に、東西で開き方が異なる事が知られています。高知で作る、この”鯖の姿寿司”は、背開きで作られています。地域的には西日本にある高知県ではありますが、四国山脈に遮られる事で大阪や京都といった関西との行き来はむしろ不便で、南に開いた土佐湾から船で関東や南九州との交流が盛んだったと考えられています。そのため、高知では関東の背開きが主流になったと子供の頃から聞かされてきました。正月に食べる お雑煮も、四国の他の3県である様な関西風の味噌仕立てではなく、高知だけ関東風のすまし仕立てが主流なのも、同じ理由だとか。。。。それに丸餅ではなく、平たく伸ばした角餅。。。

 

正月に近所のおんちゃん達が集まって、ばあちゃんの家で雑煮を食べながら、『おきゃく』をした時に、酔っぱらった おんちゃん達が教えてくれました(^^)

姿寿司は、関西のバッテラや、最近はあちこちで見られる焼き鯖寿司とは違った良さがあるので、魚の姿を目で楽しみながら、高知に行ったら、やはり食べてもらいたい一品です。

実家あたりは、嶺北と言って、四国山脈の山中にあるので、海の魚ではなく、アメゴとか、川魚で姿寿司を作ったりもしていますし、今では鯖以外の姿寿司も色々と見るようになったので、食べ比べてみて下さい。

 

思い出

実家では、正月に おせち料理 ではなく、皿鉢料理を自宅で作って出していました。年末になると父が鯖を買ってきて、開いて酢でしめます。関西に住んでいた時には、新巻鮭ならともかく、丸の鯖は なかなか置いてあるところが無かったし、あっても新鮮な生鯖ではなく、塩鯖だったので、鯖を酢で締める時に塩加減が難しいと ぼやいていたのを覚えています。つける酢は普通の米酢や醸造酢ですが、香り付け程度に家で絞ったゆのす(柚子酢)も入れていました。一晩おいたら、毛抜きで骨を一本一本 抜いてから、酢飯(ここには、たっぷり ゆのすをきかして、きざんだ生姜を入れます)詰めて姿寿司を作っていました。その姿が、毎年の光景でした。

その頃は、You Tube など無く、ましてやネットでレシピを検索する時代ではなかったので、父も色々な人に聞いたりして、作っていました。

家族が出来て、子供が生まれると、孫に手伝ってもらって嬉しそうでした。

 

GW後、コロナ感染が増え、各地で緊急事態宣言が出たりしています。まだまだ用心が必要な生活が続きますが、ワクチン接種が進み、感染も下火になって、また高知で『おきゃく』が出来る事を願っています。